オモイデツアーのおもいで

帰省してからこの1ヶ月ちょいで大きな台風が二度もあり、私は私でムダに予定の詰まる日々だったりして、さっそく移住ブログを放置してしまった。
台風と大雨で日本各地で大きな被害が起きていた中、いろいろと地域にまつわるあれこれを言葉にすることにためらいがあったというのもまた事実です。

でもこういうタイミングなので、「書きづらい」みたいな気持ちを持ちつつ書くのも大事な気がしてきた。ということで、帰省の最終日に仙台市は荒浜を訪れた思い出について少々書こうかな。

荒浜はココだよ

土地のオモイデと「おちゃっこ」

午前中はビーチクリーン

東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市若林区の荒浜地区。
私は実家が仙台にありながら震災前のこの土地のことを知らず、残念ながら津波によってほとんどがさらわれてしまった後の町の姿しか、この目では知りません。
昨年久しぶりに仙台に住んでいた間、街のおでかけMAPを私が制作させてもらったのをきっかけに、ここで活動する3.11オモイデアーカイブのみなさんと出会いました。彼らは荒浜とその周辺の地域で地元の人、または外部の人も含めてその土地の記憶や記録について語り合う場所作りをしている人たちで、この日もビーチクリーンと荒浜の顔を見に、たくさんの人たちが来ていました。

キャラ濃いめの面々でお送りしています

この日はビーチクリーンに始まり、「里海荒浜ロッジ」にて、地元のお父さんお母さんによる「おちゃっこ」オモイデトーク。
昔の写真を一枚セレクトしてそれについて話してもらう、という形式で始まったのだけど、みなさんの思い出が溢れすぎて進行不要な盛り上がりを見せていた。

昔はボートを相乗りして花火大会を見に行っていたのだが、「水中花火」というのが各所に仕掛けられていて、水中のどこからあがってくるのか分からないのでめちゃんこ怖かった (꒪ཫ꒪; )

など、今では考えられないような思い出がじゃんじゃん出てくる。

オモイデアーカイブのみんなは震災後、こんな風に長いこと地元のお年寄りの話を聞いては記録し続けている。
土地の事を語る上では震災は避けては通れない話だけれども、この地域の思い出ってそれだけじゃないよね?最初から被災地だったわけじゃないよね?「被災地」や「復興」という言葉の下にここに集まるんじゃなくて、今はまっさらになってしまったこの土地に、その昔あった、暮らしとか思い出とか、そんな話をつなぎたいという想いで、定期的に「おちゃっこ」しています。

賛否両論なご意見はいまだにあるのかもしれないけれど、「被災者」としてこの場に立たされていたなら決して聞けなかったであろう、おばあちゃんの微妙な下ネタとか、それを囲む笑い声とか、そういう場にいられた事が私はとても嬉しくて、仙台市内の人にも、東京や関西のおばちゃんにも、一緒におちゃっこしてほしいなあと思った次第です。

ここに住んでいなくても、帰ってくる場所や人が増えることが私には嬉しい。

「被災者」とか「当事者」とか、そういう言葉が便宜上必要なのは当然わかるのだけれど、そういう「何者か」という言葉が持つ根深さは思った以上に深い。
オモイデアーカイブのみんなと関わっていると、それらをふわっとすくいあげてくれるような優しさというかもはや強さを感じるのです。
やっている事は大抵ふざけているけれど、みんなそれはそれは実直にふざけていて、土地と人に対してのラブが半端ない。

「どうその地域と関わるべきか戸惑っていた」みたいな事は、震災当時東京に住んでいた時に「上京組」同士で度々話題になっていたのだけど、そこにあるのは別の街で普通に暮らしているという大きな後ろめたさで、さらに時々近しい間柄でだけ小さな声で話すと分かるのが、「その土地と思い出を愛することができなかった」という複雑な思いだった。私もそんな「何者か言えない」一人だったので、どんな思いも祈りも偽善なのでは?という自家中毒的な考えからちゃんと「ラブ」を洗って取り出すまでに結構時間がかかったりした。

今回の台風と大雨で被害に遭われた方々には心からお見舞い、お悔やみ申し上げます。そして日々復旧作業に奮闘するボランティアのみなさま、本当にご苦労様です。
私は今のところ微力ながら少しの寄付をするくらいしかできませんが、1日でも早い被災地の復興と、被害に遭われた方の心と体の健康をこころから祈っています。そして色々と「複雑な気持ち」でその土地から離れて暮らしている人の心にも、少しずつやんわりと光がさしますように、とも祈っています。

イラスト&図説化が必要な情報があれば書き起こします!

さて、とはいえ何かできる事はないものかと考えながら先日、宮城県は丸森町のFBアカウントより、被災された方に向けて下記ようなアナウンスがされているのを見かけました。

それで、例えばこういう情報というのは、復旧作業に奮闘する日々を送られている皆さんには、じっくりと読み込むのが手間なのでは?と思い、微力に続いて微力ではありますが、こんな風に描き換えてみました(下図)。
こちらはオフィシャルのアカウントからご返答がないので目下シェアはしておらず参考例ですが(万が一内容と異なった事を書いていたらいけないので)、こんな風に、必要な情報ではあるけどひとまず概要だけ簡単にわかったらいいのにー!というものがありましたら図やイラストを交えた解説をつくりますのでどうぞご連絡ください。情報の混乱を招かないように情報元などの記載はさせていただきたいと思います。

宮城県生まれ南仏育ちのイラストレーター|デザイナー

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