冥想したら双子の姉に逢えた話(1)

双子の姉に会えた話

はろう!ごきげんよう、ご機嫌いかが?
10日間の冥想プログラムから無事帰還したドラマちゃんだよ。
無事に帰還したそばから梅雨明けしてこれまたハッピー!しかし家においていた靴やリュックが全部カビていて一気に現実に戻りました。
そうここは、湿気の国、TAMBA。
菌類よ、君たちもまた生命活動をただ懸命に行なっているだけなのだ。
と、賢者の顔してタワシで根こそぎ小さな生命体たちを洗い流しましたよ私は。

さてはて、みなさんお待ちかねのヴィパッサナー体験の話を少ししようかな。

誰とも会話せず、目も合わせない10日間

聞いただけで恐ろしいこの強制プログラム。前回告知をして、およそ二週間家を空けて行って来ました。
これから体験したいという方も沢山いると思うので、あえて具体的な詳細は避けますが、どんなことをするのかというと、誰とも会話せず、目も合わさず、携帯も読書もメモも禁じられた状態で10日間冥想するという、なかなかにクレイジーな修行。
そう、瞑想とかいうと「ヒーリング」などの言葉を連想しますが、これはまぎれもない修行だった!!

オフィシャルサイトのよくある質問にも書いてありますが、このようなプログラムとなっており、ええ、なかなかにクレイジーでしょ。

朝4時起床の9時就寝。食事洗濯排泄を含めた休み時間以外は瞑想って、私は一体何を目指しているんだろうね。




悟るどころか、イライラがおさまらない7日間

瞑想法は独自の方法を教わるわけですが、始まりは、多くの瞑想法と同じく、ともとてもシンプルなもので、自分の呼吸に集中するというもの。

しかしだ。

これが、とてもできたもんじゃない。
呼吸に集中するというそれだけのことが、できない。瞑想どころか迷走と妄想が止まらず、噂通り、自分の気になっていることや弱点や楽しい思い出を、脳はきゃっきゃと走り回るように見せてくる。ちなみにこんな日もあった↓

10日耐えられず施設を逃げ出す人もいるという話は聞いたことがあったが、なるほどそりゃそうだ。かなりパーソナルな深い部分を見せられるけども、対峙できるのが自分しかいないのでもう逃げ道がないのだ。払いのけても「それ」は常に目前に貼り付いてくるので、あきらめて放っておくしかない。
ああそうか、キョンシーもお札が邪魔で仕方がないのだろうなあと中国ゾンビのことを思ったりしていた。

そんなわけで瞑想どころか迷走する思いと妄想に弄ばれること数日、心落ち着くどころか冷房や他人の足音にイライラしまくっていて「マジで何しに来たんだろう」という思いが募るばかりの数日であった。

男なんか絶対尊敬しないかんな

迷走しまくっている数日、呼んでもいないのに律儀にあの子は私の元を訪れた。
そう、はろー!と私の重力を2倍にしきたのは毎月おなじみわれらが生理ちゃん
そして梅雨満開の低気圧。おかげで重力4倍です。

これは!!!

まさに精神と時の部屋以外のなんであろうか。

精神的な鍛錬以前に、条件が悪すぎる。ハンデがでかすぎる。冷房の風、日に10時間の座禅、私は一体何をしているのか?
興味本位で取り組むには負荷多すぎなアクティビティ、私はどこに向かうのか?

もう、帰っていいかな?(ちなみに脱出はほぼ不可能)

そんなグロッキーな中瞑想ホールに入り男子のコーナーに目をやると、



すん……。

じゃねーよ!!!!!!

瞑想中とは思えないイライラ、オラオラたち

受験生の時、多くの女子が思ったよね、不利だな女子って。眠気に腹痛に頭痛にさ、コントロールできないのに大事なスケジュールはリスケできないって理不尽。イライラしたり泣いたりしながら、それを受け入れて乗り越えて何十年も生きていくのが女という生き物。
そんな事は、私だってとうの昔に受け入れているし、その性をちゃんと愛している。
だけどもだけど!だけれども!
それとこれとは別。極限状態なんで、別にさせていただきまして、言わせていただきます。

男子たちよ、君たちのそのボウルやスティックに同じような天変地異が起こった時、君たちは冷静に生きてはいけないだろう。そして君たちは、私たちが一生の多くを共に過ごすその天変地異の恩恵にあずかり存在し、今そこで胡座をかいて「すん」とかしていることを忘れるな。
そこで静かに胡座をかいても、パートナーの思いやりの上に胡座をかいてはいけないよ。

と、そんな事はつゆしらずですんと瞑想する男子を横目に、ナゾの優越感満々で静かに座り、瞑想を再びはじめたのでした。

何が言いたいのかというと、わたしたちにやさしくしろ!ということである。

瞑想の話をしようと思ったのに、私がくされフェミニストだって話になっちゃった。小山健リスペクト。

つづく。

宮城県生まれ南仏育ちのイラストレーター|デザイナー

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